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Pi-field Mini アダプタ基板の付加機能(UART 接続切替、外部 I2C 接続)
Pi-field Mini アダプタ基板の付加機能(UART 接続切替、外部 I2C 接続)
はじめに
アダプタ基板は Pi-field Mini の本体内部に構成され、基本的には次の役割を担っています。
- ソーラーバッテリからの電源を入力し、昇圧して出力する
- UART 通信の中継
加えて次の機能を備えています。
- UART 接続先の切り替え
- 外部 I2C 接続
今回はこちらの付加機能と設定方法などを紹介します。
セットアップについては弊社ブログをご参照ください。
機能1.UART 接続先の切り替え
UART の接続先を基板上の UART IC または、ラズベリーパイ本体(GPIO14とGPIO15)から選択できます。出荷時の設定は UART IC です。
注意
- 接続先をラズベリーパイ本体に設定する場合、UART でログインできなくなります。あらかじめ、SSH 接続などのログイン方法をご用意ください。
- 今回は SORACOM Napter で SSH 接続しています。設定方法は弊社ブログをご参照ください。
本体構成イメージ
配線は変えず、基板上のジャンパの位置(JP1とJP2)を変更します。
ジャンパピンの詳細は Github をご参照ください。
切り替え手順
接続先をラズベリーパイ本体に切り替える手順を紹介します。
次の1~6の手順を行ってください。
1. 設定ファイルの変更
pifield-monitor に含まれるサンプルスクリプトを利用します。
次のコマンドを実行します。
sudo cp /usr/share/doc/pifield-monitor/examples/99-pifield-raspi-serial.rules /etc/udev/rules.d/
sudo rm /etc/udev/rules.d/99-pifield-usb-serial.rules
同梱の SD には pifield-monitor がすでにインストールされています。
新規に SD を作成した場合は、pifield-monitor のインストールが必要です。詳しくは Github をご参照ください。
2. OS の設定
raspi-config でラズベリーパイのシリアルインターフェースを設定します。
次の a~h の手順を行ってください。
※ 手順は Raspberry Pi OS bookworm で2024年6月に作成したものです。OS バージョンや今後のアップデートにより手順が異なる可能性があります。
a. 次のコマンドを実行
sudo raspi-config
b. 「3 Interface Options」を選択
c. 「I5 Serial Port」を選択
d. 「No」を選択
e. 「Yes」を選択
f. 「Ok」を選択
g. 「Finish」を選択
h. 「No」を選択
3. 停止
次のコマンドを実行するか、slee-Pi3 の黄色スイッチを約3秒押下して機器を停止します。
sudo shutdown -h now
4. ジャンパの設定
JP1 と JP2 のジャンパを左側に付け替えます。
5. 起動
slee-Pi3 の黄色スイッチを押下し、機器を起動します。
6. 動作確認
ラズベリーパイにログインし、設定が適用されていることを確認します。
ttyPIFIELD が ttyS0 に関連付けられ、バッテリ内部情報の取得ができることを確認しました。
以上で設定変更は完了です。
機能2.外部 I2C 接続
アダプタ基板上のコネクタ(CN3)はラズベリーパイの I2C (GPIO2とGPIO3)に接続されています。
そのため、I2C 接続のデバイスなどを手軽に接続することができます。
コネクタのピンアサインは Github をご参照ください。
注意
- 電源電圧 3.3V 駆動のデバイスが接続できます。
- デバイス側にバッファ IC が搭載されていない場合、ケーブル最大長は 1m 程度となります。
- 接続用のインターフェースのみを提供しております。デバイス制御用スクリプトなどを別途ご準備ください。
- I2C アドレスの重複にご注意ください。slee-Pi3 が標準で 0x6E と 0x6F を使用します。
接続イメージ
CN3 には ZHR-4 が嵌合します。
ケーブルグランドに通す際は、バラ線で通して、最後にコネクタを装着する方法をおすすめします。
簡単な施工手順を次に示します。
シールナットとシールをケーブルに通します。
ケーブルグランドに通します。
バラ線に ZHR-4 を取り付けます。
CN3 に嵌合して完了。
ケーブルグランドの詳しい取り扱いは次の動画をご参照ください。
https://www.youtube.com/watch?v=BZhr0GGdhBI_a_t=25s
おわりに
以上で Pi-field Mini の本体に構成されるアダプタ基板の付加機能の紹介を終わります。
必要に応じて、ご利用いただけますと幸いです。
その他、技術資料等は弊社 Github をご参照ください。
不明な点は弊社サポートへお問い合わせください。