MECHATRAXのブログ

弊社製品やサービスに関するブログです。企画や開発の際の参考になれば幸いです。
Pi-field Mini セットアップ方法

Pi-field Mini セットアップ方法

2024.06.03@kiyonaga

はじめに

Pi-field シリーズに新たにPi-field Mini (パイフィールド ミニ)が加わりました。
今回は、Pi-field Mini の紹介とセットアップ方法をご紹介します。

製品紹介

Pi-field Miniは、ソーラーバッテリにより大幅なコンパクト化を実現しています。
このソーラーバッテリは5面に太陽光パネルを配置し、リチウムイオン電池を内蔵しています。これにより、朝や夕方などの日照が不十分な時間帯でも発電効率を高め、安定した電力供給が可能です。
運用時は、約120分間隔での間欠動作を想定しています。
※ 間欠動作の間隔は、システム全体の消費電力に応じて変更してください。

構成

本体

  • Raspberry Pi 4 Model B
  • 電源管理/死活監視モジュール slee-Pi3
  • 4G(LTE)通信モジュール 4GPi
  • ソーラーバッテリ専用アダプタ基板
  • 稼働環境構築済み SD カード(Raspberry Pi OS)

ソーラーバッテリ

  • 太陽光パネル(1W) × 5面
  • リチウムイオン電池(6.6V 2.5Ah)

内容物

Pi-field Mini では次の内容物が含まれます。
到着時に不足がないことをご確認ください。

  • 本体(+フタ)
  • ソーラーバッテリ(+取付金具)
  • ソーラーバッテリ取付用 U ボルトセット
  • DC ジャック変換ハーネス
  • 開発用 AC アダプタ(6V/2.8A)
    ※ 開発時以外に、ソーラーバッテリの補充電時に専用充電器(別売り)と組み合わせて使用します。

基本的なセットアップ

基本的なセットアップ方法を紹介します。
本体とソーラーバッテリを配線後、起動して簡単な動作確認をします。

配線

本体内部の配線を確認します。
通常、①~④のコネクタにハーネスが接続されます。

各コネクタの役割は次の通りです。
①:ソーラーバッテリ UART 接続
②:ソーラーバッテリ電源入力
③:アダプタ基板からの +12V 出力
④:slee-Pi3 への +12V 入力

本体のコネクタにソーラーバッテリのプラグを挿します(赤枠)
接続後、プラグ側のナットを締めてください。

以上で配線は完了です。

起動

ソーラーバッテリの電源は、底面のスイッチ(赤枠)を長押し(約3秒)して操作します。
※ SW のビスを外すと、スイッチにアクセスできます。

状態は LED(緑枠)の点灯パターンで判別します。
満充電時:点灯
起動時:点滅(約11秒間隔)
停止時:消灯

動作確認

ソーラーバッテリ起動後、本体(基板上から4枚目:ラズベリーパイ、上から2枚目:slee-Pi3)の赤 LED が点灯していれば特に問題ありません。
※ LED がすぐに消灯する場合は、ソーラーバッテリを充電後に再度お試しください。

合わせて slee-Pi3 の緑 LED (赤枠内、LED1)が点滅していれば特に問題ありません。
※ 点滅しない場合、SD カードのデータやハードウェアの破損が疑われます。

停止

動作確認後、本体→ソーラーバッテリの順で停止します。

本体は、slee-Pi3 の黄色スイッチ(SW1)で停止します。
約3秒押下後、すべての基板の LED が消灯することを確認します。

ソーラーバッテリは底面の SW で停止します。
約3秒押下後、LED が消灯することを確認します。

以上で基本的なセットアップは終了です。

開発時のセットアップ

開発時のセットアップ方法をご紹介します。
本体を同梱の AC アダプタと DC ジャック変換ハーネスで起動しつつ、ソーラーバッテリと UART 通信します。

完成イメージ

配線

次の①~④の手順で配線してください。

①.上から1枚目の基板のコネクタ(CN1)を抜く
②.CN1 に DC ジャック変換ハーネスを接続

※ 基板から取り外したコネクタは念のためテープ等を巻いておいてください。ソーラーバッテリ起動時に負荷が無い状態で短絡すると、ソーラーバッテリが破損する可能性があります。

③.本体にソーラーバッテリのプラグを接続
④.DC ジャック変換ハーネスに AC アダプタを接続して、本体を起動
⑤.ソーラーバッテリを起動

※ 電源供給後、本体が起動しないときは slee-Pi3 の黄色スイッチ押下をお試しください。

ソーラーバッテリの情報取得

本体がソーラーバッテリと UART 通信している場合、ソーラーバッテリの内部ステータスを取得できます。

ラズベリーパイにログイン後、pifieldstat コマンドでステータスを表示します。
※ コマンドは同梱する SD にインストール済みです。詳細はこちらをご参照ください。

コマンド実行結果例

表示するステータスは次の通りです。
capacity:蓄電池残量
percentage:蓄電池残量(パーセント)
current:充放電電流(値が正のとき充電、負のとき放電を示す)
voltage:蓄電池電圧
temperature:蓄電池温度

※ 蓄電池残量はソーラーバッテリ内部で算出します。ソーラーバッテリ起動後、一度満充電または残量ゼロにすることで算出結果(蓄電池残量ステータスでの表示値)の正確性が増します。

次のように watch コマンドと組み合わせて指定間隔での表示更新も可能です。
※ ソーラーバッテリのステータス更新間隔は約10秒です。

watch -n 10 pifieldstat

別売り

Pi-field Mini の周辺機器も販売しております。
お求めの方は弊社 EC サイトをご参照ください。

単管パイプ取付セット

本体を φ48.6 の単管パイプに取り付けられます。

ソーラーバッテリ専用充電器

使用の際は、同梱の AC アダプタと組み合わせてください。
ソーラーバッテリ起動後、底面の S2(赤枠)に充電器のコネクタを接続してください。

おわりに

以上で Pi-field Mini のセットアップ方法の紹介を終わります。
その他、技術資料等は弊社 Github をご参照ください。
不明な点は弊社サポートへお問い合わせください。

< ブログ一覧へ戻る

関連製品はこちら

関連記事はこちら