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IoT用LTE(Cat.1 bis)通信マイコンボード 「MicroCat.1」 製式版リリース

IoT用LTE(Cat.1 bis)通信マイコンボード 「MicroCat.1」 製式版リリース

2026.06.30@okuma

平素よりメカトラックス製品をご愛顧いただき、ありがとうございます。IoT用LTE(Cat.1 bis)通信マイコンボード「MicroCat.1(マイクロキャットワン)」を、本日2026年6月30日(火)より販売開始しました。2025年12月のプレリリース版での先行販売を経て、正式版としての発売です。

この記事では、製品の概要・プレリリース版からの変更点・MicroCat.1を使用したSORACOMへの定期撮影アップロードシステムの構築方法を紹介します。

MicroCat.1とは

MicroCat.1は、LTE Cat.1 bis通信モジュールを搭載したRaspberry Pi Pico 2互換のマイコンボードです。MCUにPico 2で使われているRP2350Aの上位版「RP2350B」を採用しています。

PPPプロトコルスタックを搭載したMicroPython環境が構築されており、ATコマンドの知識がなくてもセルラーIoTデバイスの開発が可能です。ROM 16MB・RAM 8MBを別途搭載しており、通信処理や各種ライブラリの動作にも余裕のあるリソースを確保しています。

スペック概要

項目内容
MCURP2350B
RAM520kB(内蔵)+ 8MB(拡張)
ROM16MB
LTEモジュールSIM7672JP
通信規格LTE Cat.1 bis
SIMスロットnanoSIM
インターフェースGPIOコネクタ(Raspberry Pi Pico 2互換)/ USB Type-C
MicroCat.1 スペック概要

3つの特長

1. 標準的なPythonの感覚で、LTE通信プログラミングをそのまま実装

PPPプロトコルスタックを標準搭載したMicroPython環境を採用しており、LTE通信を標準的なPythonと同じ感覚でプログラミングできます。ATコマンドを覚え直す必要がないため、ラズパイのPythonコードやWiFiマイコンのMicroPythonコードを容易に移植でき、新たな学習コストを抑えながら開発をすぐに始められます。

2. Raspberry Pi Pico 2互換、ハード・ソフト両面で既存資産を活用

RP2350Bを搭載し、Raspberry Pi Pico 2互換のピンアサインを採用しています。既存のPico用機能拡張基板をそのまま活用できるほか、Pico向けに公開されているMicroPythonのサンプルコードも活用できるため、ハードとソフト両面から迅速な開発を進められます。

3. 広範なLTE網を使用し、安定した省電力通信を実現

LTE Cat.1 bisはスマートフォンと同じLTEネットワークを利用できるため、屋外・地方を含む広範なエリアで安定した接続を確保しやすい規格です。下り最大10Mbps・上り最大5Mbpsの通信速度をサポートしながら消費電力を抑えており、センサーデータの収集や設備の稼働状況監視など、長期安定運用に向いています。

Raspberry Pi 5などの高機能SBCでPoCを行った後、コストダウン・発熱対策・低消費電力化が必要になる場面での選択肢としても活用できます。

プレリリース版からの変更点

プレリリース版をお使いの方はご確認ください。正式版ファームウェアは、プレリリース版では動作しません。

正式版のファームウェアでは、LTE通信ライブラリに microcat1 という新しい上位レイヤーが追加されました。従来の SIM7672 は内部で引き続き使われていますが、コードの import 文が変わっています。

※正式版をご購入の場合は、ファームウェアは出荷時に書き込み済みですので、準備は不要です。

バージョンimport文
正式版(バージョン名:r20260630以降)import microcat1
プレリリース版import SIM7672
ライブラリ名の変更点

LTE接続例は以下のようになります。

import microcat1

m = microcat1.modem()
m.active(True)
m.connect(apn='xxx', user='xxx', key='xxx')

import urequests
response = urequests.get('https://mechatrax.github.io/microcat1/hello/')
print(response.text)

最新版のファームウェアはこちらより入手可能です。ファームウェアのセットアップ・Thonnyでの接続は「MicroCat.1の使い方」をご参照ください。

ハードウェアの改善

  • USB-C コネクタの位置をGPIOコネクタの間から変更し、ジャンパピンやHATに干渉しにくくしました。
  • SIMソケットをプッシュイン・プッシュアウト式にすることで、差し替えを容易にしました。
  • リセット・ブートスイッチを横向きに配置し、HATを装着した状態での操作性を考慮しました。

SPIカメラで定期撮影 → SORACOM Harvest Files へ自動送信

システムの概要

Arducam SPIカメラをMicroCat.1のGPIOに接続し、一定間隔で写真を撮影して、SORACOM SIM経由でSORACOM Harvest Filesへ自動アップロードするシステムです。電源にモバイルバッテリーを使用しています。

項目バージョン / 型番
MicroCat.1ファームウェアr20260630
SIMSORACOM
カメラArducam MEGA-3MP
モバイルバッテリーエレコム DE-C39-12000BK
開発環境Thonny (バージョン 5.0.0)
本作例の動作環境一覧

コード概要

動作のサイクルとコードの主要な部分(接続と画像アップロード)は以下のとおりです。

  1. カメラで撮影 → JPEGをフラッシュに一時保存
  2. LTEに接続 → SORACOM Harvest Filesへ PUT
  3. 一時ファイルを削除・LTE切断
  4. 設定した間隔(例:15秒)待ち、繰り返す
import microcat1
import urequests

m = microcat1.modem()
m.active(True)
m.connect(apn='soracom.io', user='sora', key='sora',
          security=microcat1.SEC_CHAP)

# 撮影済みのJPEGをSORACOM Harvest Filesへアップロード
with open('photo.jpg', 'rb') as f:
    data = f.read()
r = urequests.put(
    'http://harvest-files.soracom.io/photos/photo.jpg',
    data=data,
    headers={'Content-Type': 'image/jpeg'}
)
print('status:', r.status_code)  # 201 なら成功

ファイルの準備

下記の2つのファイルをMicroCat.1に書き込みます。

ファイル役割
main.pyメインプログラム(撮影・アップロードのループ)。コードはこちら
camera.pyArducamドライバ。コードはこちら
作例コードの概要

Thonny でMicroCat.1に接続し、2ファイルをルート(/)に保存してください。

設定確認

main.pyの先頭にある設定部分を確認します。

INTERVAL_SEC = 15          # 撮影間隔(秒)

APN      = 'soracom.io'    # 使用するSIMのAPNに合わせて変更(今回はSORACOM)
USER     = 'sora'
PASSWORD = 'sora'

HARVEST_FILES_URL = 'http://harvest-files.soracom.io/photos'

システム動作手順

1. nanoSIMをMicroCat.1に挿入

2. arducamカメラのケーブルを、以下の写真と表を参考に、MicroCat.1に接続

ケーブルの色接続先GPIOピン
GND
3V3
GP19
GP18
GP17
GP16
SPIケーブル接続先

3. USB-Cにモバイルバッテリーを接続して起動

4. 緑LEDが約3秒点灯(AWB安定化待機)→ 点滅2回(撮影)→ 青LED点灯・点滅(LTE通信)の順に動作

5. SORACOMコンソールの Harvest Files を開き、photos/ フォルダに画像が届いていることを確認

よくある質問

Q. LTEの通信エリアはスマートフォンと比べて変わりますか?

変わりません。スマートフォンと同じLTEネットワークを利用する規格(LTE Cat.1 bis)のため、カバーエリアはスマートフォンと同等です。

Q. 対応しているSIMカードを教えてください。

NTTドコモ・au・SoftBankのLTEネットワークを使用したSIMが利用できます。それらキャリアのネットワークを使用するMVNOでも基本的に接続可能です。ただし、3G専用SIM・音声通話機能付きSIM・海外ローミングSIMは使用できない場合があります。弊社にて確認済みのSIMは動作確認済みSIMに記載していますが、SIMの事業者/プランは膨大な為、個別のSIMが動作することに関しては保証およびサポートできかねますので予めご了承ください。

Q. 4G(LTE)回線経由でのネット接続がうまくできません。

まず以下をご確認ください。

  • USB-C電源から5V 1A以上が供給されているか
  • SIMカードが正しい向きでソケットに装着されているか
  • SIMカードの契約が4G(LTE)対応か、またAPNの設定が適切か( 接続設定 をご参照ください)
  • MicroCat.1基板の青色LEDが点滅しているか(PPP接続が確立すると点滅します)

解決しない場合は FAQGitHubもあわせてご参照ください。

まとめ

MicroCat.1は、WiFiに頼れない屋外・地方でのデータ収集用途から、ラズパイでの試作後のコストダウン・省電力化まで、幅広いフェーズで活用できます。ぜひ、ご検討ください。

  • 製品の詳細はこちら(MicroCat.1 製品ページ)
  • 製品のご購入はこちら(メカトラックスオンラインストア)
  • GitHubはこちら (MicroCat.1 GitHub)

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